今回はPDCAの基本から成功事例やコツまでお伝えいたしますので、ぜひ最後までお読みいただき、成果につながるヒントを持ち帰ってください!
そもそもPDCAとは?
PDCAサイクルとは、
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
この4つの頭文字を取ったものでPlan(計画)⇒Do(実行)⇒Check(評価)⇒Action(改善)のサイクルを繰り返し行うことで業務における「継続的な改善」を図る技法です。
もともと品質管理向けに提唱されたものですが、汎用性の高さから、現在では業界や業種を問わずに取り入れられています。
品質管理は製造業の生産現場などで行われており、よくトヨタ自動車の事例が挙げられます。KPI(重要業績評価指数)として設定された数値目標から逆算して計画を立てて実行。一定期間を目処にそれまでの製造フローやプロセスを振り返り、納期の遅延や不良品の発生といった課題を抽出することで、改善策を次の計画に反映する、このサイクルを繰り返します。すると、繰り返した数だけ改善されるので、一回のサイクルの周期が短ければ短いほど改善スピードも上昇していきます。
つまりPDCAを効果的に活用する上での重要なポイントは、いかに早くPDCAサイクルを繰り返せるか、という「スピード」にあるのです。
次の章からは、これら基本のPDCAに加えて「営業活動のためのPDCAサイクル」を紹介します。
営業におけるPDCAサイクル
それでは本題の営業活動のためのPDCAサイクルについて見ていきましょう。
営業におけるPDCAの目的
営業活動におけるPDCAサイクルの目的は何でしょうか?
企業によって目指す着地点は微妙に異なってきますが、一般的に、個人視点であればスキル向上と売上向上。マネジメントであれば部署の全体最適やメンバーの育成と売上向上などが目的になるでしょう。
営業視点のPDCAサイクルを回すことで、営業プロセスのどこに課題点があるのか、どこが改善すべき点なのか、が把握できるようになります。まずはPDCAのPから見ていきましょう。
「P:計画」
目的達成のための具体的な数値目標を立てます。
ここでは必ず数値目標とともに期限をつけるようにしましょう。
また、漠然とした曖昧な目標や、定量的に評価できない計画は後ほど検証することができなくなってしまいます。以下のような具体的に数値で測れる目標を設定してください。
「D:実行」
設定した計画を実行します。
目標に向かって、日々の業務を遂行していくうえで、テレアポや商談などについては、PDCAを回すために、顧客とのやりとりを記録しておくようにしましょう。
営業の場合
- クライアント名
- 商談内容
- 商談後のフェーズ※
※フェーズ・・・お客様の受注確度をフェーズに分けて管理する方法です。
詳しくはこちら⇒「成約に向けた営業フェーズのポイントとは【商談の見極めから成約までのノウハウ】」
インサイドセールス※の場合
- 架電時間
- コネクト(繋がったか)
- アポイント獲得数
それぞれの項目は最低限、記録しておくようにしてください。なるべく計画通りに進むのがベストですが、計画通り進まないこともあります。上手くいかなかった点についても、しっかりと記録に残すようにしましょう。
※インサイドセールス・・・「内勤営業」のこと。見込み顧客(リード)の獲得から、アポイントメント(アポ)までに責任を持ち、質の良い商談を、訪問商談担当者へ受け渡します。詳しくはこちら⇒「インサイドセールスとは?役割や業務内容を解説」
「C:評価、計測」
当初の計画した目標を達成することが出来たのか検証し、評価していきます。
目標を達成できた場合は、成功要因を挙げていきます。一方で、目標が未達成だった場合については、なにが問題だったのか課題点・改善策を挙げていきます。
※なおすでに施策が走っている場合は、PDCAサイクルのC:CHECKから始めることもできます。この場合、現状を正しく把握することがとても大切になります。
「A:改善」
一つ前の項目「C 評価」での課題点について改善を行います。(成功要因を継続させることで、さらなる成功を目指します。)
このようなPDCAのサイクルを繰り返し、常に改善を行うことで、日々の営業活動のパフォーマンスが向上します。ここで紹介したものはあくまでも 一例ですが、いずれの営業活動でも本質的には変わりません。抽象化して、自身の営業活動に当てはめてみてください。
PDCAを効率的に行うには?
営業活動におけるPDCAについて基本がわかりました。続いて、このPDCAを回すためにぜひ念頭に入れておくべきポイントについて解説します。実際の業務にお役立ていただけますので、ぜひ参考にしてみてください。
営業フローを明確にする:Plan計画
営業におけるPDCAについては、P:計画の段階で 「観察」という観点を加えることをおすすめします。目的を定量的な数値で設定する一方、営業フローを明確にし、各フローについては可能な限り数値情報を揃えましょう。
このようにまずは目的に対して、誰がどのような形で数値に関与しているのか現状を正しく把握することで、目的達成のための仮説(計画)を立てることができます。
PDCAは手段であり目的ではない:逆算思考:Plan計画
どの分野でも「PDCAを回すことが重要だ」といわれるようになってきました。PDCAが汎用的になる一方、本質から逸れてしまい形骸化してしまっている事例も多く見受けられます。いつの間にかPDCAを回すこと自体が目的となり、何を改善したいのかがわからない状態で混乱してしまっているケースなどが代表的でしょう。必ず目的を明確にし、目的達成のために各プロセスごとで必要な要素(KPI)を洗い出すことが重要です。
受注1件のためには架電100件が必要になるという仮説を立てることで、目標達成のために、それぞれの行動計画に落とし込むことが可能になります。
目標を分解して本質的な原因を突き止める:Check
Checkの際には、行動の評価段階を因数分解することが必要です。
例えば売上という大目的を分解してみるとこのようば計算式が成り立ちます。それぞれの項(指標)をチェックして課題を炙り出してみましょう。
仮に新規件数に課題があるとした場合、さらに細かく因数分解を行うことでどこに本質的な課題があるのか突き止めることができます。下記のような場合は、右辺側のどの指標がネックになっているのか、明らかにすることが先決です。
定量的な数字で改善案を提示:Action
前述したCheckにおいて本質的な課題を発見することができれば、あとはその数値を改善すするだけです。
たとえばアポイント獲得率に課題があるのであれば、コネクトからのアポイント獲得率を15%→20%にあげるという改善目標を設定します。その上で初めて定性的な改善策も検討します。
たとえば、電話はつながるのにアポイントにつながらない場合、トークのスキルが低いという可能性が考えられます。であれば、ロープレの実施など行ってみるのもよいでしょう。
あるいは、そもそも営業内容が顧客のニーズと一致していないという可能性もあります。その場合は架電先のリストを変えるなどといった選択肢があります。
このようにまず、改善策を定量的に明示し、その上でそれらに紐ずく定性的な改善策についても追加していくようにすると良いでしょう。
長期思考で実施:Do
PDCAは繰り返し継続して行うことに意味があります。また前述したように、繰り返すスピードが早いほど改善の回数が重ねられるため、成果につながりやすいです。 ひとサイクルで結果が出るということはほぼありません。サイクルの期間を区切って、繰り返し実施と効果計測を行っていく必要があります。
たとえば個人レベルの営業行動については短いスパンでPDCAを設定します。そうすることで個人のスキル向上という面でも早期で成果が見込めます。一方で営業部全体では月単位で計測を行うことにより、大局的な成果や課題が把握できるでしょう。
PDCAの失敗例
PDCAにおいては、なぜ失敗しているのか明らかにして、改善につなげることが大切です。
失敗事例から改善策とさらに効果を高めるコツについて考えていきます。
曖昧な目標設定による失敗
とあるtoB向けメーカー企業の営業チームでは、全体の受注件数が減少していることを受けてPDCAサイクルを回して成約率の改善を試みました。
「各月の受注数を伸ばすこと」を目標とし、架電数や顧客へのアプローチを増やすといった方法で各メンバーが工夫して改善を図りましたが、いつまで経っても受注件数は伸びずメンバーのモチベーションもなかなか高まらない状態が続きました。
失敗の原因と改善点
失敗の原因
- 目標設定が曖昧
- 行動計画が曖昧
この失敗の原因は、まず目標設定が曖昧だったことに加えて、より具体的な行動計画を立てなかったことにあります。チームメンバーが各自「受注件数を伸ばす」という定性的な目標設定のもとでバラバラに行動していたため、チームとしての効果検証や改善点の整理ができずにいたのです。
このように、目標設定の時点で躓いてしまっている組織はけして少なくありません。
上述の通り、チームとして数値化した目標を設定し、具体的な行動計画を立ててチームでシェアする必要があります。
PDCAの成功事例
失敗の次は成功事例です。
PDCAの例を小さいものから大きいものまで取り上げますので、参考にできるものがあれば取り入れてみてください。
【チーム事例】定量データを駆使し受注率向上と育成強化(CINC)
手前味噌で恐縮ですが、弊社の例を挙げます。
toB向け分析ツールを販売している部署では、売上向上を目的として行動計画を立てました。PDCAを回す中で商談から受注までの受注率に課題があることが判明。改善策として受注率を5%向上するという数値目標を設定しました。
また商談から失注になってしまった案件については、失注理由をセグメントで分け、お客様のネックを抽出することで、失注理由を定量的に計測。さらにはそれらのネックをモデルケースとして、各営業メンバーでロープレや資料を整備したことで、受注率向上に繋げることに成功しました。
成功の要因
失注案件の数や失注理由を定量データとして保有・分析できたことが一番大きな成功要因です。またそれらのデータから導き出した本質的な課題についても、5%向上という具体的な目標数値を設定することで対応することができていました。
PDCAサイクルの中でしっかりと定量データを活用していくことが必要です。
【会社事例】C⇒Aの仕組み化で全社員のノウハウ平準化(無印)
無印良品では組織改革の一つとして共通のマニュアルを作成し、全社員のノウハウの平準化を目指しました。接客や商品管理についてすべてマニュアル化することで、各店舗のスタッフが顧客に対して高い水準のサービスを提供可能になったのです。
さらには業務基準書は3ヶ月に一回、店舗マニュアルは1ヶ月に1度更新するといったルールを設けることで、PDCAの「C⇒A」が定期的に必ず実施される仕組みを作り、社員の提案や業務から感じていることが常にマニュアルに反映されるようになりました。
成功の要因
社員それぞれが持つ現況を分析、その結果を落とし込んだ施策が、「全社ルール」として徹底されており、アクションが適切に行われたことが大きな成功要因です。
特に「C:検証」を終えて満足してしまうケースは多く、次なる改善策の実行を徹底することはとても重要です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
読んでいて気づいた方も多いとは思いますが、C⇒Aの流れを徹底的に施策として落とし込むことがポイントになります。C⇒Aで出された改善策を、P、あるいはDとして反映、このサイクルを延々と回し続けることが、営業はもとより、事業で成果を創出する基本です。
営業におけるPDCAサイクルを成功させるポイントは多いですが、各ポイントをしっかりと押さえることで、成果につながるPDCAサイクルに取り組めます。営業活動を見直すためにもPDCAサイクルを実行して日々少しでも成長していきましょう!
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